今回は依頼されて製作した薪置き場について紹介します。薪ストーブのある生活はとても素晴らしいと思います。しかし、薪を用意したり、保管することは苦労するようです。それらの苦労も薪ストーブの魅力のようですね。

薪は乾いているほど火付きが良いので、できれば2シーズン分くらいを保存できる大きさの薪置き場を用意し、1年以上乾燥できるようにします。また、棚を分割することで薪を入手した時期により分けることができるようにします。
今回の製作に当たっての検討事項は以下のとおりです。
- 幅は4m、棚奥行きは50㎝くらいの大きさのものを作る
- かんたんで早く作ることができ、それなりに耐久性があるもの
- 経済性にすぐれるもの
それでは作り方の説明に入ります。
設計作業
今回製作する場所は結構離れているため、短時間で作り終える必要がありました。このため、極力、手間がかからない方法で作れるように設計します。
設計図はきちんとしたものを書かないで作ってきました。今回も裏紙を使って、沓石の位置出しと棚板の設置間隔を計算したものを書いたくらいで、その他は現場で臨機応変に作っていきました。
高さ方向は、沓石の高さを前後で変えることで屋根勾配を付けるようにしました。

材料購入
材料を運搬することも手間がかかるので、現地調達するか通信販売を検討し、現地調達することとしました。
まず、完成までの金額を調整するために材料の選択をします。今回は、比較的耐久性が高く、入手も容易な材料として「桧」をメインに選択しました。購入先は、製作現場の近所にある材木店から直接購入し、無料で届けてもらいました。4mの材料もあったので、届けてもらったことは非常に助かりました。
木材店の利点としては、ホームセンターでは入手ができない樹種や規格の材料が手に入ることです。また、プロの目で選別されたものが届くので、確かなものが入手できます。しかし、素人が材木店から直接買うことはハードルが高く感じますよね。実際は、ほとんどの材木店では個人でも買うことができると思います。
まずは、近所の店を探してして話を聞いてみることをオススメします。今回、私は離れた場所からだったので、ホームページを経由して問い合わせしてみました。何度かメールをやり取りして、購入を決めました。メールにてイメージを伝えるために書いた図が下記です。

このマンガをもとに、最終的に購入することとなった材料を決めました。ハードウッドの提案もありましたが、手持ちの防腐塗料がありましたので桧をメインに選択することとしました。また、雨がかりの心配が少ない棚板と垂木は松と杉にしました。
風にあおられることを考え、側面と背面には壁を設けないこととし、風通し良くすることで薪が良く乾き、台風で倒れないようにしました。構造的に脆弱に思われる部分もあるので、出来上がりをみてから補強するようにしました。
番号 | 名称 | 樹種 | 等級 | 規格(㎜) | 数量 | 単価 | 金額(円) |
1 | 垂木 | 米松 | GRラフ | 45×45×1,000 | 7 | 150 | 1,050 |
2 | 柱 | 桧 | GRラフ | 70×70×2,000 | 6 | 830 | 4,980 |
3 | 梁 | 桧 | KDプレナー | 30×105×4,000 | 6 | 1,200 | 7,200 |
4 | 棚板 | 杉 | GRラフ | 12×150×3,000 | 7 | 400 | 2,800 |
小計 | 16,030 | ||||||
消費税 | 1,603 | ||||||
合計 | 17,633 |


その他の購入材料は近所のホームセンターで入手しました。なお、詳しく製作工程を検討する中で桧材が不足していたので同じサイズのものをホームセンターで追加購入しました。
番号 | 名称 | 規格(㎜) | 数量 | 単価 | 金額(円) |
1 | 羽子板付き沓石 | H=150 | 3 | 877 | 2,631 |
2 | 羽子板付き沓石 | H=240 | 3 | 1,298 | 3,894 |
3 | 梁(桧KDプレナー) | 30×105×3,000 | 1 | 1,150 | 1,150 |
4 | 屋根材 緑 | 1,000×920 | 3 | 1,580 | 4,740 |
5 | 屋根材 黒 | 1,000×920 | 2 | 1,580 | 3,160 |
6 | 屋根材 防水キャップ | 50個入/袋 | 1 | 598 | 598 |
7 | ステンレスボルトナット | M10 | 6 | 304 | 1,824 |
8 | コーススレッド | 75㎜ | 1 | 498 | 498 |
合計 | 18,495 |


屋根材は軽くて丈夫なオンデュリン・クラシックシート(メーカーサイトへのリンク)を採用しました。折角、カラーバリエーションがあるので、緑と黒の二色使いにしました。
製作工程
今回は短時間で製作できるように工夫して設計しています。時間がかかる作業として、基礎のレベルを揃えることがあります。このため、レベルが揃っていなくての問題がでないように考えました。
屋根の勾配は、基礎となる沓石の高さを変えることでつけるようにしました。また、垂木を渡す桁で水平を取ることで処理します。


まずは、基礎となる沓石を設置します。水糸を張って基準とします。水糸からの下がりと沓石の天端を揃えることで整えます。しかし、今回の設計方法では厳密に揃える必要がありませんので、ラフに設置していきます。
なお、水糸の設置には水糸用の水平器を使用しました。



ステンレス製のボルトナットを使って沓石の羽子板ボルトに固定します。一度、柱をあてがって穴の位置をマーキングし、ドリルで穿孔します。



棚板の枠となる部分を作ります。柱にこの枠を取り付ける時に水平を確認しながら取り付けることで薪置き場の水平が確保できます。また、枠を取り付ける時には、柱の垂直も確認しながら設置します。
枠部分を作る際や、柱に取り付ける時にはクランプがあると便利です。いろいろな大きさのものが数種類あると便利です。DIYする際には必ず役に立つものの一つです。



棚板は手元に残っていたステンレスのスクリュー釘を使って張ることとしました。反りを押さえるために三か所ずつ留めることとしました。木表(木の年輪で樹皮側)を上に凸でそろえて張っていきました。また、なるべく風通りが良くなるように、杉板の間隔は3㎝以上開けるようにしました。あらかじめ、設置位置をマーキングしておくと素早く張っていくことができます。



棚板を2段取り付けた時点で柱は真っすぐ建っているようになっています。しかし、柱の長さを切り揃えていないことと、沓石の高さを厳密に揃えていないので、柱の上端は揃っていません。
柱の上端が揃っていなくても作れるように設計しましたので、気にせず進めます。桁を柱の外側から水平になるように取り付けていきます。桁に垂木を渡していきます。屋根材一枚につき3本の垂木で支えるようにします。



屋根材は黒と緑を交互に張ってデザインします。実際には上から見ない限り見えませんが、見えないところにもこだわってみるのもいいですね。屋根材の取り付けはコーススレッドを使用して取り付けます。プラスチック製の防水キャップをビスと一緒に取り付けることで雨漏りしないようにします。
なお、取り付けるビスを打つ場所は、屋根材の「山」と「谷」の部分の「山」のみに打つようにします。谷側は雨水が集まって流れるみずみちになるので、谷側にビスを打ってしまうと雨漏りの原因になってしまいます。


完成
ここまでで、取りあえずの完成とします。今後、薪を入れてみて構造補強の必要があるかを検証します。風にあおられるようなことが無いようないに壁は設けていませんが、構造に不安がある場合には筋交いを入れることとします。また、基礎部分も沓石を置いただけなので、不安がある場合にはコンクリートで巻きたてるようにしたいと思います。



薪置き場を作る時にあると便利な電動工具を紹介します。
まずは、木を切るのに便利で機動性にも優れる丸のこです。DIYを始める時、持っておくと役に立ちます。危険な道具に思えますが、使い方を守れば思ったほど危なくありません。今回使用した、屋根材も着ることができます。
次に、スライド丸のこです。上級者向けの道具なりますが、便利さと切断の正確さは丸のこよりもかなり優れています。今回のように、同じ長さの板を切り出したりする作業は非常に得意とする道具です。
最後に、インパクトドライバーです。DIYをする時には、一番初めに買うべき道具でしょう。ビスを打ったり、穴を開けるなど、木で何かを作る際には、必ず使用する道具です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。よかったら、こちらの記事もご覧ください。
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