こんにちは、源です。今日はベンチの作り方です。
とてもシンプルだから難易度(★★☆☆☆)優しいだよ
製作のきっかけ
ベンチを作ろうと思ったのは、人気のパン屋で並んでいた時にあった店先のベンチを見たのがきっかけでした。少し痛んでいたため、直したいなあと考えていたのですが、見ているうちに「いい雰囲気のベンチだな」と思い始めました。
こんな感じで作ってみようと考え、その当時、本屋で読んで頭に残っていた絵本「どうぞのいす」のテイストを加えながら、ベンチを製作することにしました。
今回は子供用のベンチなので、少し小さめで作ります。ホームセンターに材料を買い出しに行き、いつものように、メモに書きながら、必要な材料の拾い出しをしました。
今回のコンセプトは「かわいい椅子」という感じで作るようにしました。小さなサイズなのに頑丈で丸っこいものを作ります。
材料
今回は、単純なので材料は2種類です。3mの材料を自家用車で運べないので、カットサービスを利用しました。3mから5枚の均等な長さの切り出してもらいます。45角の材料は持ち運びやすいように手ノコを借りて半分に切りました。
名称 | 規格(㎜) | 数量 | 金額 |
国産ヒノキ材 | 105×30×3000 | 1 | 1,150円 |
国産ヒノキ材 | 45×45×3000 | 1 | 980円 |
カット代金 | 3 | 150円 | |
合計 | 2,280円 |
ビスは手持ちの45㎜と75㎜のコーススレッドを使用しました。
製作
板材はホームセンターでカットしてもらいましたが、角材は持ち運びやすいように半分にしただけなので、切り分けていきます。背板側の脚60㎝を2本、前側の脚24㎝を2本、補強材として24㎝を2本、40㎝を2本に切り分けます。
脚を組み立てていきます。コーナークランプを2個使いしてガッシリと固定します。
コーナークランプで固定した後、コーススレッドで組み立てます。ビスを隠すためにドリルで穴を開け、最後にダボを打ち込みます。
次に、全体の枠組みを組み上げます。コーナークランプや通常のクランプを組み合わせながら固定して組み上げていきます。
あとはビス留めをして固定ます。こちらのビスも最後に隠すようにしますので、ダボ穴を開けて作業します。ダボ作業には、こちらのセットが便利です。
背もたれ部分は座りやすいよう、少し後ろに反らせるため、背面側の角材を斜めに切ります。手ノコで切り出して、カンナがけして整えます。
座面の板を張っていきます。ビス穴の位置をしっかりマーキングしておきます。また、角になる部分はノコギリで切り落として、ヤスリがけをして丸くしておきます。
位置出ししたマーキングに合わせてクランプで固定ます。しっかり固定したうえでドリルで穴開けし、コーススレッドで固定していきます。貫通してしまわないように、コーススレッドは45㎜の長さのものを使用します。
板を張っていく際には、隙間を均等にするためにアングル材や木の端材を使います。
最後に、ビス穴をダボで隠していきます。なるべく目立たないようにするため、同じ材料でダボを作ります。ダボを差し込んで、はみ出した部分をノコギリで切ります。残った部分をカンナで仕上げて完了です。
同じ材料でダボを作るには、ダボドリルで端材から抜きます。
組み上げ
ダボを切り、サンダーで仕上げれば組み上げ完成です。ヒノキの木肌はいい感じですので、このままクリアのワックスを塗って完成としてもいいですね。
絵本の感じにも近づけたいので、仕上げについて検討したいと思います。
浮造り加工
仕上げとしては、アンティーク調にしたかったので、今回は浮造りに挑戦してみます。
浮造り(うづくり)とは、木目をはっきりと浮きだたせる加工で、昔から使われている手法です。杉材でよく使用されています。床材に使用すると木目が凸凹になり、足裏が気持ちよくなります。
浮造りの基本的な考え方は、木目の柔らかい「夏目」と硬い「冬目」のうち、夏目を深く削るイメージです。削る手法としては、萱やヤシなどで木目に沿ってなぞる方法があります。現在では、ナイロンブラシを使うことが多いです。
今回、アンティーク調にしたいこともありましたので、焼いて木目に色を付けてから真鍮製のワイヤーブラシで磨く方法にしました。バーナーで炙って炭化した部分をそぎ落とすことで、焼き色が付きながら浮造り加工もできます。
まず、使用した道具です。
このバーナーはカセット式のガスボンベを使用するため手軽に使用できます。大きなものを炙る際には、これくらいの大きさのものだと一気にできるので簡単です。これよりも強力なものは灯油式になるので少し扱いが面倒になります。
はじめて使う際には、思っていたよりも音が大きかったので驚きました。ジェットエンジン並みとはいきませんが、ゴーッと結構な音がします。慣れてしまった今ではなんとも思いませんけど。
次はブラシです。木目に沿って動かして、炭化した部分をそぎ落としていきます。ワイヤーブラシの中でも比較的柔らかい真鍮製のものを使います。
それでは加工の仕方を説明します。まずは、バーナーで炙っていきます。
炙る量は表面が1㎜~2㎜くらい炭化するまでです。表面に焼き色が付くだけでは、浮造りになりません。表面にうろこのような模様ができるまで炭化させます。
注意点としては、薄い材料を炙ると木が反ったり、割れたりします。また、火を扱うので消火用の水も準備しておきましょう。木が熱いうちに水をかけると割れることがありますので、冷めてから水洗いをするようにします。
炭化した部分をワイヤーブラシで削っていきます。一通り削り終わったら、水洗いをして雑巾でふき上げます。
乾かすと、木目が浮きあったようになる「浮造り」が出来上がります。
今回は、ベンチのアンティーク加工として浮造りをしてみました。桧の色や木肌もいいのですが、ひと手間かけて加工することで、木目が際立ち、表面の木肌も凹凸がついて触り心地が良くなります。根気さえあればできる加工ですので、ぜひ試してみてください。
塗装仕上げ
浮造りするのに燃やした後、紙やすりで磨いたり、雑巾で何度も拭くことですすが付かないようになってきました。最終仕上げとしてなんらかの塗装を考えました。せっかくの風合いなので、壊さないようにワックスで仕上げようと思います。
ワックスの選択
木工用のワックスはいろいろなものがあるので、どれにしようかと迷いました。今回の条件としては以下の項目です。
- 浮造りした木目がきれいにでるもの
- せっかく付けた焼き色があまり変わらないもの
- 子供が使うベンチ用なので安全性の高いもの
- 施工が簡単なもの
以上の条件で考えて、今回選んだものは
このワックスの原料は、エゴマ油と蜜ろうからだけで作られています。有機溶剤や乾燥剤等は一切を含んでいないので、安全性が高く、塗っている際にも、いやな臭いもしません。
タイプが2種類あり、材料によって使い分けるようになっています。今回は「無垢材のヒノキ」に使用したため、Cタイプを選択しました。
ワックス塗布
まずは塗布前の状況を確認します。焼き目を付けて浮造りした状態です。すすが付かないように何度も拭き上げてあります。
それではワックスを塗っていきます。Cタイプのワックスは、車用の固形ワックスを少し柔らかくしたくらいの状態です。これをスポンジ全体に塗り広げてから、木の前面にサッと塗り広げます。
ワックスを塗ることで、色が濃くなり、木目もはっきりとなりました。
完成
以上でベンチの製作が完成しました。今回は、アンティーク感を出すことを目指しました。焼き色を付け、浮造りにしたこと。また、ダボをアクセントとしてデザインし、ワックスで仕上げることで、懐かしい感じのベンチに仕上げることができたと思います。
このベンチとは別に、うさぎのいすを2脚、テーブルを作って子供用ダイニングセットを完成させました。よろしければ、関連記事もご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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