こんにちは、源です。今日は、ウッドデッキを作るときの材料選択についてです。
ウッドデッキの材料は何がいいの?
ウリンが一番だと思うよ!
ウッドデッキを作ろうと考えた時、材料を何にするかを悩みますよね。私は色々な材料を使ってウッドデッキを作ってきましたが、結果、材料として最も優れていると考えるのは「ウリン」です。
しかし、プロがウッドデッキを作る場合にウリンを選択することは少ないです。これは、材料が重く硬いので加工がめんどくさ口なるためです。
DIYなら、自分でじっくり作ればいいので、ぜひ、作ってみましょう。
自邸にて、ウリンウッドデッキを自ら設計・施工し、10年以上使用してきた経験から説明します。
ウリンとは
インドネシア、マレーシア原産の「クスノキ科」常緑広葉樹です。ボルネオ島の海岸に自生することから、別名べリアン[belian]、ボルネオ鉄木[Borneo ironwood]などとも呼ばれます。
水辺に生えている木であるため、湿気や海水への耐久性が高く、現地では浮桟橋に多く使用されています。その耐久性の高さは、原産地では「100年以上の耐久性がある」と言われているほどです。
日本では、1996年まで輸入が禁止されていたので認知度は低めとなっています。
ウリンの特徴
どんな特徴があるの?
ウリンの特徴は、まず、耐久性が高いことです。これは密度が高く重量があり、細胞構造が緻密で外から木を腐らせるものに侵入されにくいためです。
DIYでよく使用されるSPF材の「ツーバイ材」と比べてみましょう。下の写真で左側は「ウリン」、右側は「ツーバイ材」です。
ウリンは水中に浮いてはいるものの、水面よりも下にあります。これに対し、ツーバイ材は部材の2割程度が水面よりも上に表面が出ています。
ウリンは沈むくらい比重が重いよ
このように、ウリンは密度が高く重い材料であることが分かります。ウリン同士でたたくと、非常に高い音で「カーン」と鳴り響きます。
また、ウリンには「ポリフェノール、タンニン」といった防腐作用がある成分を含んでいることから、防腐塗装をしなくても腐る心配がありません。
メリット
ウリン材のメリット
- 耐久性が高い
- 防腐塗装が不要
- 構造耐力が高い
一番の特徴は耐久性が高いことです。原産国では海岸沿いに自生していることから、水分、とりわけ海水に対する耐性があります。
また、木材腐朽菌や害虫も寄せ付けないので、防腐塗装をする必要がありません。このため、ウリンのウッドデッキは完全メンテナンスフリーとすることができます。ウッドデッキを手に入れてはじめてわかることですが、メンテナンスには時間とお金が結構かかります。このメンテナンスフリーにできることは、最もオススメしたい理由です。
接続部分は10年以上経過しても隙間が広がらず、作った時のままを保っています。通常の木材は経年とともに痩せていきます。このため、接続部分の隙間は広がりますが、ウリンでは色が変わる以外の劣化は発生しません。
10年以上使い続けていますが、完全にメンテナンスフリーです。少し汚れたとしても、雨が汚れを洗い流してくれます。
フェンス角の接合部分は、45度で切断した断面です。10年以上経過したあとでも変わらずピッタリとしており、ハードウッドならではの堅牢さが良く分かります。
全く変わらないよ
デメリット
ウリン材のデメリット
- 灰汁(あく)が出る
- 色が退色する
- 硬いので加工が難しい
- トゲが発生する
ウリンには「ポリフェノール、タンニン」などの防腐効果を持つ成分を多く含んでいます。これらは、水溶性の物質であることから、雨にさらされると「あく」が流れだし、落ち着くまでの数か月継続します。
作ってから数か月は、雨のたびに紫色の灰汁が流れ出します。さらに、灰汁が流れ出すに伴って、木の色が「赤茶色」から「シルバーグレイ」へと変色します。1年も経過すると完全に変色します。
色の変化については、好みの問題となりますが、私は変色後の「シルバーグレイ」のほうが風情があって好きです。
シブい色だと思うよ
灰汁については、コンクリート部分にかかると汚してしましますが、洗剤や漂白剤を使用することで取り除くことができますので、それほどの問題ではありません。
ウリンが非常に硬いことは、耐久性の面ではとても良いことです。しかし、加工する際には硬さゆえに困難なものとなります。
丸ノコで切る際にも、硬木用の刃を使用することが望ましいです。すぐに切れなくなってしまいます。また、ドリルで穴開けするのも難しく、ドリルが折れてしますこともしばしばです。
ウリンでウッドデッキ製作する際の注意点
- 硬木用の工具、コーススレッドの使用が必須です
- ビスを打ち込む際、事前に穴あけ加工が必要です
- 皿取りビットでビスの頭が収まる加工が必要です
丸のこの刃は硬木用のものを使います。
ビスの頭は皿取り加工しておかないと、木が硬くて入っていかないため、飛び出ていまします。
ウッドデッキを本格的に作ったのは、このウリンが初めてでした。施工上の苦労は多かったですが、作り始めればすぐに慣れてしまうと思います。
やってみれば、なんとかなるよ
トゲについては、一時期に発生することがありました。これは乾燥が進むにつれて発生したと思われます。しかし、その後、ある時期を過ぎてからは発生しなくなりました。
乾燥が落ち着くことによって、トゲの発生も収まったと思われます。
床板には、「リブ付き」という溝加工を施した床板を採用しました。この加工を施すことで、トゲの発生が少ないといわれていますので、リブ加工もトゲ発生防止に寄与しているかもしれません。また、滑りにくくなったり、水はけが良くなることもリブ加工のメリットです。
リブ加工の床板は裸足で歩くと気持ちがいいのですが、トゲが刺さるととても痛いので、トゲの発生が完全に落ち着くまでは、裸足での利用は避けるべきです。
ウリンが一番の理由
ウリンのデッキを10年以上使用してきました。色の変化はありますが、それ以外にガタツキが出たということは全くありません。
また、塗装も施していませんが、腐ってしまったり、カビが発生したということは一切ありません。
材料自体の耐力も高いので、他の木材で作った時に比べて、少ない材料で作ることができます。また、同じ部材断面で作った場合には、ウリンで作ったウッドデッキは構造的にしっかりしたものが出来上がります。
ウッドデッキを計画するうえで、一番考えなければならないことは、アフターメンテナンスです。通常の材料では腐食防止のために防腐塗装をしなければなりません。メンテナンスを怠ってしまうと、シロアリを呼び込んでしまいます。
シロアリの被害は、建物本体へ波及する原因となりますので、そのような状況をつくりだしてはいけません。塗装って、とても手間がかかり、しかも、数年おきにやり直しが必要です。10年以上、何も手をかけなくても劣化しないウリンは、他の材料と比べても、材料費の差以上の価値があります。
これらの心配が一切ないことが、ウリンをお勧めする一番の理由です。
長年、ウッドデッキを使用していると、使い方の変化が出てきます。当初の施工から変化した点は、洗濯ものを干す場所として、屋根を付けたことです。
屋根を付けるため、ポリカーボネート波板の片流れ屋根を載せました。雨どいは目立たないように天井部分の上部に隠れるように設置し、下からは見えないようにしました。
以前は、庭にある物干し台まで履物を替えて洗濯物を干していました。変更後は、ウッドデッキに出てすぐに洗濯を干せ、非常に便利になりましたので追加して良かったと思います。
また、階段を追加することで、庭とウッドデッキの動線が便利になりました。結果、家の出入りをウッドデッキ経由ですることが多くなっています。
でも、ウリンのウッドデッキ普及しないよね?
なんで、世の中にはウリンのウッドデッキが増えないのでしょう?この理由は明らかです。とにかく、作るのがめんどくさいからです。
普通のウッドデッキよりも手間が多くかかりますが、それほど値段に反映させることはできません。ウリンの価値がわかるのは、10年以上経過してからであって、製作段階では費用対効果を理解できません。
その材料が腐朽しないが故に、普及しないって皮肉ですよね。
作るのがめんどくさいから、職人さんも避けたがるよ!
だから、ウリンのウッドデッキは、DIY向きなんだよ!
耐久性があり、牽牛なウッドデッキをこだわりを持って作りたいですよね。DIYすれば工賃は要りません。どれだけ手間が掛かろうが、そこは自分の情熱で乗り越えられます。
通常の材料(ウエスタンレッドシダーなど)を使って外注したウッドデッキよりも、経済的に優れ、耐久性が高く、頑丈なウリンを使ってウッドデッキをDIYしましょう!
ウッドデッキを作るためには、これらの工具を準備ください。
なるべく手軽に、簡単にウッドデッキを作りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
コメント