こんにちは、源です。今日はSPF材で縁台を作ります。
わりかし簡単よ! 難易度(★★☆☆☆)やさしい
今回は、知人からのオーダーです。玄関先においてある縁台がガタついてきたので、新調したいとのことでした。
普段の使い方としては、近所の人と二人で座ってだべったり、買い物帰りに一時的にものを置く台として使っているそうです。
軒先なので、雨には濡れない(少しくらいはかかるけど)ものとして設計します。
二人座っても安心ね
設計
まずは、どんな縁台が欲しいかを聞きます。こんな感じでした。
条件を聞くよ
条件整理
製作に関する希望
- 大人二人がゆったり座って話せる場所にしたい
- 大きさは幅1.0m、奥行45㎝、高さ40㎝くらい
- 今のものより、もう少し強固なものがいい
- 雨にぬれる心配はない(台風時は中にしまう)
- デザインはお任せ
- 経済性は問わない
では、設計を始めていきます。ホームセンターで縁台の材料になりそうな木材を見回りますが、2023年8月現在、SPFの値段が手頃なので採用します。
一時のとんでもない値段から、随分と戻ってきましたね。
材料選びのポイント
- 構造的に十分な耐力がある
- 断面が細すぎない
- 腐食に対する強さ
- 値段が手頃
- 見た目が周囲とマッチする
今回の材料は、SPFの2×4材を採用します。
屋外に置きますが、軒下で濡れません。まれに雨がかかる可能性はありますが、クリアワックス塗装をするので、雨は弾きます。
2×4の断面であれば、大人二人が座ったとしても、たわんだり、ぐらつくことはありません。また、純和風の家の雰囲気に合わせて塗装するすることで、周囲に溶け込むようにしました。
材料拾い出し
全体の大きさ、板を貼る方向などは、iPadでメモを書きながら打ち合わせます。あとは、図面を書きながら必要な材料を拾い出します。
板の向きで印象が変わるよね
設計図
メモから設計図を起こします。
PDFで確認したい場合は、こちらのファイルをダウンロードしてください。
材料購入
購入数量確認
購入する材料の本数を確認します。
実際の製作では、一部を再利用材を使いましたが、説明のため、全てを購入するとして計算します。
名称 | 規格 | 本数 |
SPF 2×4 6ft | 38㎜×89㎜×1,820㎜ | 3本 |
SPF 2×4 8ft | 38㎜×89㎜×2,438㎜ | 2本 |
2023年8月現在の2×4材の価格として、6ftは800円程度、8ftは1,000円程度です。材料費としては、カット代を含めても5,000円でお釣りが出ます。
材料を必要な材料に切り出します。切り出しには、ホームセンターのカットサービスが便利です。道具の準備や掃除、騒音の発生がないため便利です。
規格 | 切り出し長さ | 残り | |
1 | 38㎜×89㎜×1,820㎜ | 450㎜×4本 | 20㎜ |
2 | 38㎜×89㎜×1,820㎜ | 450㎜×4本 | 20㎜ |
3 | 38㎜×89㎜×1,820㎜ | 324㎜×4本 450㎜×1本 | 74㎜ |
4 | 38㎜×89㎜×2,438㎜ | 959㎜×2本 450㎜×1本 | 70㎜ |
5 | 38㎜×89㎜×2,438㎜ | 883㎜×2本 450㎜×1本 212㎜×1本 | 10㎜ |
切り出した材料は短くなっているので、乗用車でも運搬可能です。
製作
まずは全体の流れを説明します。
製作の流れ
- 座面にダボ用穴を開ける
- 座面以外の面を塗装して乾燥させる
- 座面を組む
- 脚を組み立てる
- 脚にワックス塗装する
- 座面と脚を組み付ける
- ダボで隠し、座面を塗装
座面にダボ穴を開ける
それでは、製作に移ります。
まずは、座面(部材①〜⑪)の穴加工からです。
設計図面のダボ位置をもとにダボ穴(φ8㎜)を開けます。ダボ用ドリルビットを使います。一定の深さまでしか穴が開かないようになっており、貫通することがありません。座面の取り付けには50㎜程度のビスを使用するので、ビスの頭が干渉しないダボ穴の直径とします。
穴を開ける位置は、あらかじめ、鉛筆で位置出しします。ダボ位置がしっかり揃っていることが、仕上がり度合いを一段階上げます。
座面以外の面を塗装して乾燥させる
今回は純和風の家に置くので、渋めのデザインにします。座面は木肌の色を尊重するよう、クリア仕上げにします。軒先で濡れない場所なので、屋内用の塗料を使用します。
たまに濡れた時に、水を弾く事と、日焼けによる変色を遅くする目的とします。
11本全てを、座面以外の五面にクリアを塗って乾燥させます。SPFは購入したままだと、木肌が荒れているので、塗装面全てをサンダーで整えます。
今回は#2,000まで磨いたのでツルツルにしています。実際は、#800で十分です。
先に塗装するのは、組んだ後では隙間が狭かったり、裏側の塗装が困難になるからです。座面は、脚に組み付け後、ダボ組みしてからサンダーで仕上げますので、その後に塗装します。
座面を組む
塗装が終わり、乾燥した座面(部材①〜⑪)を座面受け⑫に組み付けます。まずは部材⑮を使って、部材⑫が並行するよう、間隔を整えます。位置が決まったら、ベルトクランプを使って固定します。通常のクランプでも可能です。
写真では見にくいですが、鉛筆で座面が乗る位置を書いておきます。この鉛筆書きは、取り付け位置の目安として、参考程度に扱います。
座面(部材①、⑪)の2枚を使って、両端から挟み込みます。座面受けから、座面は両側に30㎜ずつ飛び出します。挟み込む板の両側が30㎜ずつになるように測ります。4辺のはみ出し量が確認できたら、鉛筆書きした線を基準にして、中心部材⑥から組み付けていきます。その際、両端に仮固定してある座面から、水糸を張って基準線とします。
中心部材⑥が取りついたら、両側に向かって座面(⑦→⑩、⑤→②)を組み付けます。
隙間は4㎜とするので、金具(4㎜で硬さがあればなんでも代用可能)を使って隙間が一定となるようにします。クランプを使って、隙間を調整します。
合板を細かく切って、隙間を調整するスペーサーとしてもいいですね。
なお、端の部材(①、⑪)は、脚との接続が完了してから取り付けますので、この段階では取り付けません。
脚を組み立てる
脚(部材⑬、⑬、⑭)を組み立てます。2組同じものを組み上げてから、互いを部材⑮を使ってつなげます。色がついている部材があるのは、一部、古材を再利用しているためです。
部材の組み付けには、コーナークランプ、クイッククランプを使って組み付けます。座面よりも長めのビス(70㎜程度)を使い組み付けます。ビス穴はダボを使って塞ぎます。
脚にワックス塗装する
脚が組み上がった段階でワックス塗装をします。座面と同様に屋内用のワックスを塗ります。雰囲気を変えるために、アンティーク調のウォルナットを塗ります。
塗装の前に木肌を整えます。このタイプのワックスは細かい番手で磨きすぎると、色が入らなくなるため、#180までで終わります。このタイミングで塗るのは、座面を取り付けてからだと塗りにくくなる事と、座面がクリア仕上げなので、汚れてしまうことを防ぐためです。
1時間程度、乾燥させてから、余分なものを拭き取ると仕上がります。完全に乾くまでは色移りするので、数回に分けて拭きあげます。
座面と脚を組み付ける
座面を組み付けたものと、脚部を接続します。ドリルで先に孔を開けておき、長めのビス(90㎜程度)で組み付けます。クランプで位置だしして、ズレないようにしておいてから、穴あけ、ビス止めします。
座面のビス穴をダボで隠し、塗装する
それでは、最終工程です。
座面にあいたビス孔をダボで埋めていきます。木工用ボンドを入れ、ダボを差します。はみ出た部分をノコギリで切りとり、カンナやサンダーで整えたら、塗装前工程としてサンダー掛けをします。
最後に座面を塗装し、乾燥すれば完成です。
以上で完成です。塗装の乾燥時間も含め、一日あれば完成できます。
使用工具
今回はカットサービスを使ったので、工具は少なめです。
まず、必ずいるものとして、インパクトドライバーです。今回はビス止めとダボ孔開けに使いました。DIY利用であれば、14Vのトルクで十分であり、値段もバッテリー付きで手頃です。
ダボでビス孔を隠すのに便利なセットです。
クランプです。クイッククランプ、コーナークランプ、ベルトクランプと登場しましたが、今回、必須なのはクイッククランプです。数種類んの長さが揃っていると便利です。
引き渡し前には、ビールを飲みながら耐久性のチェックをしました。十分のようです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
物置などもDIYしています。よろしければご覧ください。
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