こんにちは、源です。木製物置を自作しています。行き当たりばったりで作っているのですが、今回は扉の設計の考え方や取り付け方法を説明します。
木製物置の扉の取り付け方法です
扉の構造
変形のL字型の物置を作っているので、扉は2か所付けます。両開き扉としますので、合計4枚の扉を作成します。
今回は物置の中にロードバイクを収納することが目的です。ロードバイクは精密機械なので、雨風を防ぐだけでなく、なるべく気密性を高めたいものです。
ホームセンターなので販売されている物置は、ほとんどが引戸です。引き戸は、レールを設置して、その上を往復させることで開閉するため、構造が単純となります。
古い日本家屋の玄関では、必ずと言っていいほど引戸が採用されます。これに対して、現代の住宅では開戸が採用されます。イメージとして、昔ながらの日本家屋は隙間風が多く、洋風住宅の開戸の方が気密性が高くなるのはわかるのではないでしょうか。
引き戸だと隙間風入りそうでイヤだな
さらに、扉が本体に当たる部分には、戸当たり(下写真での赤い車線部分)を作っています。戸当たりは、物置の気密性を向上させるのに役立ちます。隙間を少なくし、雨風が入りにくくする目的で設けています。
扉の枠組みはツーバイ材(38㎜×89㎜)を使用しましたので、厚みが38㎜となっています。
ここで、扉の厚みを38㎜とすると、枠組みと揃えることができます。扉を閉じた際には、扉周囲の枠組みとツライチに収まるようにすることがオシャレだと思います。
どうせ、外装材(焼杉板)を貼るから、1㎜なんてわからないよ
扉の材料
扉の材料は、ホワイトウッド(30㎜×40㎜)で枠組みを作り、構造用合板(厚さ9㎜)を面材とすることに決定しました。こうして扉を製作すると、30㎜+9㎜=39㎜の厚さの扉ができますので、ほぼ枠組みの厚さ(38㎜)と揃えることができます。
扉の大きさは、扉枠の大きさより小さくする必要があります。扉と枠の隙間は、上下左右のすべての面に必要で、今回はスムーズな扉開閉ができるように隙間を2㎜として設計しました。このクリアランスは、広すぎると気密性が下がりますし、狭すぎると扉の開閉がうまくいきません。扉部分の製作精度を考慮すると、2㎜が限界かなと思います。将来的には、カンナで緻密に削りながら、ビシッと収めるテクニックを習得したいです。
ホワイトウッドで枠を組んだら、構造用合板を当てて、合板側からビスをまんべんなく打ち込んで固定します。中間部分に補強を入れ、4枚の扉を製作しました。
合板を用いるのは、扉を軽くするためにしています。中の部分を空洞にすることで、扉の重量を軽くしています。住宅で用いるフラッシュドアと同様な考えです。
扉が重くなると、自重で蝶番が変形したり、傾いて閉まりが悪くなります。
扉の取り付け
次に、扉を取り付ける作業を行いますが、この作業が最も難しい作業です。蝶番を取り付ける位置が少ずれただけで扉が開かなくなってしますからです。
まず、扉側に蝶番を取り付けます。蝶番が扉にまっすぐ取り付くように、鉛筆で取り付け位置を書いておきます。
蝶番の厚さ分だけカンナで扉を彫り込んで、蝶番がはみ出ないようにします。
蝶番を扉に取り付けることができたら、扉枠に扉を取り付けていきます。
まず、上下の隙間を確保するために、2㎜程度の厚さのものを扉の下側に置いておきます。今回は1メートルのステンレススケールを代用します。スケールの厚さは2㎜弱です。
仮付けの段階では、このスケールに扉を載せて取り付け位置を決め、スケールを取り除いて扉の動きを確認します。どちらかの隙間が足りない場合には、扉が引っ掛かるため、上下の隙間を再調整してください。
扉を仮付けする際、下に厚みのあるものを挟んで調整するよ
物置側の枠に蝶番を取り付ける際には、上下二か所の位置をを垂直方向に揃えることが必要です。斜めに取り付けてしまうと、どこかに扉が引っ掛かりうまく開きません。
扉と扉、枠との隙間が一定になるよう調整するよ
また、扉の開閉がスムーズにできることが確認できるまでは、物置側への蝶番取り付け位置を何度も調整することがあります。このため、いきなり蝶番をネジ3本を使って固定するのではなく、3個あるネジ穴の1個だけを利用して仮留めをするようにして開き具合を確認します。
仮留めで位置をずらすときには、固定した蝶番の穴を変えるよ
上手く扉が開閉できない場合には、仮留めしたネジ穴とは別のネジ穴を利用して、再度、仮留めして開閉具合を調整します。同じネジ穴を利用していては、微妙な位置をずらす作業がやりにくいからです。
しかし、チャンスとしては蝶番のネジ穴の回数しかできません。今回の蝶番の固定用穴は3個あるので、調整回数としては3回まで可能です。仮留めで開閉が確認できたら、残りのネジを最終固定していきます。
仮留めから再調整した場合、始めの穴のすぐ近くでネジ止めする場合は、同じ長さのネジを利用してもネジが効きません。その場合は、始めに使用したものよりも長いネジに変更して留めるようにしてください。
仮留めから本締めに移る際には、ビスを長い物に変更するよ
扉の大きさが問題となり、枠や扉同士が当たってします場合には、カンナやヤスリを用いて当たる部分を削ることで問題を解消します。
今回は、一枚の扉につき2個の蝶番を取り付けましたが、扉の大きさ、重さ、蝶番の強度によっては、3~4個使用する場合もあります。蝶番を使用する際には、仕様をよくみて耐荷重を確認してください。今回、使用した蝶番はこちらの商品です。
蝶番の数は、扉の重さと蝶番の耐荷重から決めるよ
蝶番の大きさが大きくなるにしたがって、材料の厚みが増し、耐荷重も大きくなります。また、蝶番の個数を増やすことで、一個当たりの蝶番が負担する重量を軽減する方法もありますので、検討してください。
枠と扉がまっすぐ取り付けることができると、扉の隙間がまっすぐ揃います。両側の扉を閉めた時の間にできる隙間を確認してください。
以上で扉の取り付けが完了しましたので、次回からは外壁の取り付けをしていきたいと思います。
物置の今までの製作過程は、こちらをご覧ください。
製作に必要な工具
物置を作る際に必要な工具はこちらです。
まずはインパクトドライバーです。扉を取り付ける際、ビスを打つ、ドリルで穴を開けるときに使います。
木工では必ず必要となる丸のこです。合板や柱材を切って、扉の枠を作ります。
精度よく作りたい場合は、スライド丸ノコがあると便利です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ウッドデッキや物置に関する記事はこちらです。よろしければご覧ください。
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