こんにちは、源です。
今日は物置屋根の作りかたを説明するよ
まずは、どんな屋根形状にするかを、住宅屋根から考えてみます。
屋根形状の種類
住宅に用いられる屋根は、傾きを持つ「勾配屋根」と、ほぼ水平な「陸(ろく)屋根」に分けられます。
それぞれの特徴について説明します。
勾配屋根
切妻屋根(きりづまやね)
最も基本的な形の屋根です。二つの向い合せた斜面を持つ屋根で、開いた本を伏せたような形状です。
雨漏りの原因となりうる取り合い部分(斜面同士がぶつかる部分)が比較的少なく、全体構造がシンプルなため、経済的にも優れています。
妻側(建物の短辺方向)の壁を保護することが苦手です。樋は二面に必要となります。
方流れ屋根(かたながれやね)
最も単純な形状をしている屋根です。一つの斜面だけの屋根で構成されます。取り合い部分がないため、雨漏りの可能性は低くなっていますが、とりわけ、水上側の壁を保護することが難しくなります。
建物の高さが高くなるため、高さ制限のある場合には不利となります。樋は一面のみに必要です。
寄棟屋根 (よせむねやね)
四つの斜面を抱き合わせるように重ねた屋根形状となります。建物の高さは抑えられ、各壁も均等に雨から守られます。
取り合いが多くなるため、雨漏りの可能性は高くなります。樋は四面に必要となります。
陸屋根
陸屋根(ろくやね)
勾配がほとんどない水平な形状をした屋根です。十分な防水がなされていないと雨漏りの原因となるため、木造ではほとんど採用されません。
物置の屋根に有利な屋根形状
屋根の形は最もシンプルな形となる「片流れ」を採用しました。片流れは、一方向だけに勾配がついている屋根の形です。自転車置き場や駅のホームなどで採用される形です。
- 構造がシンプル
- 製作が簡単
- 雨漏りの可能性が低い
- 軒の出幅を調整すると壁を保護できる
屋根材料
まずは材料です。屋根下地と屋根部分の材料を調達します。
名称 | 規格 | 数量 | |
下地 | 赤松垂木 | 40㎜×40㎜×4,000㎜ | 6本 |
コーキング剤 | 変成シリコン | 1本 | |
屋根 | ガルバリウム鋼板波板 | L=2,700㎜ | 7枚 |
傘釘(ガルバ用) | 13×41㎜ 9本×50連 | 1箱 |
屋根製作方法
じゃあ、作っていくよ
屋根の概要
- ガルバリウム鋼板製波板を採用
- 屋根形状は「片流れ」
- 軒の出幅は30㎝
- 屋根勾配は9度
屋根下地面の製作
今回は赤松垂木を使って屋根下地を組みます。枠組みは相欠き(あいがき)により組みます。相欠きとは、お互いの材料の半分を切り欠き、切り欠き同士を組み込む手法です。
相欠き加工は丸ノコで2㎜間隔で切り込みます。その後ノミで削っていきます。加工量が多いので底の仕上げはルーターを使用しました。同じ加工を数本同時にするため、クランプで固定してまとめて加工しました。
丸ノコでの切り込み状況
丸ノコの加工状況
ノミでの加工状況
ルーターでの仕上げ
相欠きの加工が完了したら、屋根の形に合わせ縦横に組みあげます。
これで屋根の下地部分の面は出来上がりました。次に、屋根勾配をつけるための脚の部分を作ります。
屋根下地脚部の製作
片流れの屋根とするため、9度の勾配を付けて物置の上に設置します。屋根下地面と同様に赤松垂木(40㎜×40㎜)を使用して角度をつけて設置します。
高さを確保するための脚を物置本体の屋根を連結します。物置本体上に設置は物置内部側からビスを打ちます。ビス穴の隙間から雨水の侵入を防ぐため、コーキング材を注入しておきます。
強風時の雨が入り込んだとしても、ビス穴から雨漏りしません。長持ちする物置には必須の手間です。
屋根下地を載せ終わったら、全体をビス打ちして強固に固定します。屋根を付けた後、強風で屋根を持ち上げる力が働くため、屋根が吹き飛ばないよう強力に固定します。
固定が完了すれば、屋根の下地は完成です。
あとは屋根を張るだけよ
屋根材の加工
屋根下地にガルバリウム鋼板製波板を張っていきます。
物置は採光が不要なので、ポリカーボネイトなどの光を通す材料でなくてもいいです。耐久性を重視したガルバリウム鋼板製波板を採用しました。
片流れは構造がシンプルなので施工しやすく、雨漏りもしにくい屋根です。勾配をキツくすることで、さらに雨漏りしにくくすることができます。
また、壁面を保護するために軒の出幅を30㎝としています。軒ので幅は、たくさん出すことで壁に雨や直射日光が当たらなくなり、劣化を遅らせることができます。ただし、風にあおられやすくなるため、出し過ぎてもいけません。
ホームセンターにてガルバリウム鋼板製波板(L=2,700㎜:7枚)を購入しました。運搬は店舗でレンタルできるトラックを利用しました。
波板を必要な長さに切る作業をします。今回は切断量が多いため丸のこを使用しました。ガルバリウム鋼板製波板を切るには刃を「金属用チップ」に取替えます。
金属を切断するときには「火花」が飛びますので、近くに燃えやすいものを置かないようにしてください。
波板が切り終わったら、屋根下地に張ります。
波板の張り付け
波板用の「かさ釘」で下地に打ち付けます。ガリバリウ波板には専用の傘釘を使います。
かさ釘は、釘の頭の部分に傘が付いていて雨水が浸入しにくいようになっています。
波板は、「山」と「谷」の部分がありますので、かさ釘で固定する際には、「山」の部分で固定します。「谷」の部分は雨水の通り道になるので、ここに釘で穴を開けてしますと雨漏りの原因になってしまいます。
かさ釘は山に打つんやね
波板を張る際には、重ね合わせて張るようにします。横に重ねる場合には、少なくとも2山を重ねるように張り合わせます。
縦方向に重ね合わせる場合には、水上側が上になるように重ね合わせます。こうすることで、雨水が下に漏れることを防ぐことができます。水は高いところから低いところに向かって流れるので、下流側で水を受け止めるイメージです。
波板の施工順序
- ドリルで穴あけ
- コーキング材注入
- 傘釘打ち付け
傘釘ではガルバリウム鋼板製波板を打ち抜けないため、あらかじめドリルで穴を開けておきます。先に穴を開けるため、傘釘と穴の間にわずかな隙間が生じます。この隙間が雨漏りの原因となので、傘釘を打つ前にコーキング材を注入します。
やった〜!完成したよ!!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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