ウッドデッキ作りたいですよね
ウッドデッキを作ろうとした時、完成させられるかどうか不安を感じることがあると思います。心配になって製作を断念するのはもったいないことです。
今日は、最も簡単なウッドデッキの作り方である「サンドイッチ工法」を説明します。
ウッドデッキの作り方には、大まかに分けて2通りあります。「サンドイッチ工法」と「大引き工法」の違いについて学びながら、サンドイッチ工法の内容を説明します。
ぜひ、ウッドデッキ作りにチャレンジしてみてください。
工法比較
サンドイッチ工法
力:床板⇒根太⇒コーススレッド⇒束柱
コーススレッドを介するため不安定
大引き工法
力:床板⇒大引き⇒束柱
力のかかり方が一直線であり安定
構造的には大引き工法の方が優れていますが、ウッドデッキの荷重は人が乗る程度です。構造の差が耐久性までには影響しませんので、それほど気にしなくてもいいです。
サンドイッチ工法の利点
ウッドデッキを作る際に一番苦労するのは、地面を整地して水平を出すことです。しっかり整地したとしても、束石を設置する時、高さや垂直性がずれてしまうことが多く、調整することに苦労します。
しかし、サンドイッチ工法を採用した時には地面の高さが揃っている必要はなく、垂直がしっかり出ていなくても問題は必要ありません。
- 地面の整地が不完全でもいい
- 束柱が完全に垂直でなくてもいい
- 根太の上端だけ水平を保てば良い
サンドイッチ工法で気にするのは、床板を張るための根太上端の水平が出ていることだけです。あとは、多少曲がっていてもなんとかなります。
柱を建てて、その両端を根太で挟み込む(サンドイッチする)だけで完成する工法です。
細かいことないから、やれそうじゃね?
このため、床板を張るまでの手間を少なくすることができます。また、技術的な点においても、おおざっぱに進めてたとしても出来上がりに差が出ないことがサンドイッチ工法の優れている点です。
作り方
設計
まずは、ウッドデッキを作る場所で、どのような大きさのものを作るかを考えます。リビングやダイニングとのつながりをを考えて、掃き出し窓の高さにそろえて床を作ると使いやすいです。
フェンスや階段をどうするかを考えて、必要な材料の数を拾い出します。
設計といっても、それほど緻密にする必要はなく、細かい図面は必要ありません。この図面も参考のために書いているだけです。
床板の縦横の大きさと、地面から床面までの高さが分かれば材料の拾い出しはできますので、メモ書きで十分です。
現場合わせでもなんとかなるよ!まず、作ってみよう!
ウッドデッキの設計で気にする点は以下の通りです。
- 大きさを欲張ると苦労するので、少し小さめにしよう
- 床板がたわむ問題が多く発生するので、束柱のスパンは抑えよう
- 柱スパンは根太の太さと床板の厚さで考えよう
どんなにゴツい床板を使ったとしても、柱スパンを1mにするのは飛ばし過ぎだから、もう少し抑えよう。
材料調達
材料を調達します。量が多い場合には通信販売を利用すると便利です。通信販売を利用する場合には、1種類の材料ごとに予備を必ず用意することがコツです。
これは、設計ミスで足りなくなる場合もありますが、加工を間違えてしまうことが結構あるからです。仮に余ってしまったとしても、必ず何かに使うことはできるの心配する必要はありません。
ウッドデッキを作り始めて、材料が足りなくなってしまうと現場作業が止まってしまいます。一度止まってしますと、一日が無駄になってしますので、材料の予備は必ず準備しましょう。
ちなみに、この材料は「サイプレス」という耐久性の高い樹種なので、防虫・防腐処理が必要ありません。このため、塗装工程を省くことができます。
シロアリも寄せ付けないよ
通常、高耐久の樹種は非常に木が硬く加工が難しいものですが、サイプレスは比較的柔らかいため、加工が楽です。俗称としては「豪州ヒノキ」と呼ばれるので、加工手間としては似たり寄ったりで、ヒノキを少し堅くしたくらいです。
基礎に使う石は、近所のホームセンターで入手することが得策です。これは、値段の割に送料が高くつくからです。ホームセンターではトラックの貸し出しサービスもあるので、利用してみましょう。
現場作業
整地、基礎
今回、家の周囲にはコンクリート部分がありますので、そのまま柱を載せ、反対側のみを整地します。
整地は、コンクリート製の土台となるブロックが動かないように固めます。それぞれの高さがそろっている必要はありません。
サンドイッチ工法で最も重要になることは、根太で水平をしっかり出すことです。床板を受ける根太を束柱に打ち付ける時、縦横の水平を確認します。写真のように床板を仮に渡しておきながら、根太の打ち付け高さを調整していきます。
ウッドデッキの下側は、湿気が溜まったり、草が生えたりしないように防草シートや防湿シートを敷いておくとウッドデッキの耐久性が上がります。
ウッドデッキの基礎は、ウッドデッキ全体の耐久性に影響します。やわらかい土壌に作る場合は、基礎が沈んでしまわないように、基礎の下の土を砕石に入れ換えます。
今回紹介するケースでは、周囲に犬走りのコンクリート部分がありますので、コンクリート上には束柱を直接建てます。
それ以外の部分は強固な地盤であるので、砕石を敷いた上に「羽子板付き沓石」を置きました。もし、雨が降るとぬかるんでしまうような粘土質の場合には、高さのある「羽子板付き沓石」を使い、基礎の下に砕石を厚めに敷いてください。
粘土質の地盤では、「圧密沈下」といって年月が経つにしたがって沈む場合があります。しかしながら、ウッドデッキ程度の荷重(家に比べれば遥かに軽い)であれば、地面から30㎝くらいの深さの土を入れ替えれば問題なくなります。砕石の厚みとコンクリート高さで調整してください。
束柱
束柱は90㎜角以上の材料を使います。サンドイッチ工法では、束柱の施工精度は不要です。長さが根太の天端よりも下にあればよく、精度は根太の水平だけが重要です。
これは束柱の上端が、床板を載せる根太の上端よりも下にあるため、床板の施工精度には影響しないからです。ただし、フェンスを作る場合には、フェンスの柱と兼用する束柱は垂直を気にします。
根太組み
サンドイッチ工法で最も慎重に施工しなければならない部分です。ここの精度で、ウッドデッキの仕上りが決まります。
サンドイッチ工法の根太組みは、床板を張る方向と直角に交わる方向に根太を渡します。根太は、束柱の両方に挟み込むように設置します。
設計のポイントとしては、束柱(フェンスの柱となる束柱は除きます)が根太から飛び出さないように、少し短くしておくことです。1~2センチほどを根太の上端部分よりも低くなるようにします。
床板は根太の上端に張っていきますので、束柱が床板に当たらないようします。この数センチの部分で、地面の高さのズレやちょっとした施工誤差なども吸収できてしまうことが、サンドイッチ工法が簡単にできる理由です。
まず始めに設置するのは、家屋側の根太です。床板の仕上がり高さの基準となるため、床板を使用して、掃き出し窓の水切り金物下端に合わせます。
家屋側の根太は、2本で挟まず、1本省略します。施工の都合上、家側からビスを打てないからです。ここには人が乗らないので、省略は可能です。
次に、外枠の根太を施工しますが、この場合は水平を保つことと、最初に施工した根太に対して直角となるようにする必要があります。水平を出すには水平器を使用すれば簡単にできます。
直角を出すには、「三平方の定理」を使うのが最も単純にできます。
直角三角形の3辺の長さが3:4:5になることを使います。この比率の紐などを用意して、頂点を結ぶことで直角を確認できます。また、直角定規、スコヤなどがある場合は、角に当てて確認できます。
床板張り
床板張りは、ウッドデッキ作りのクライマックスです。ほぼ、この工程でウッドデッキの見た目が決まります。
きれいに見えるポイントしては、
- 床板の隙間幅がそろっている
- コーススレッドの頭がそろっている
このポイントを守れば、見た目がきれいになります。
隙間を揃えるには、隙間の基準となるものを挟みこんで床板を張ることです。今回使用したものは、厚さ2㎜のL型金具です。床板は反ったり、曲がったりしているためクランプを使用して押さえ込みながらビス留めしていきます。
ビス打ちする位置は、床板から少し浮かした位置に水糸を張っていおいて、その直下に打ち込むようにします。打ち込む位置も揃えた方がきれいになるため、床板の端切れで打ち込み位置を揃える定規を作っておくと便利です。
フェンス
目隠しや物干し台として、フェンスを作ることもお勧めします。フェンスを作る場合には、フェンスを作る側の束柱を長くしておきます。フェンスを作ろうとすると、この束柱が邪魔となり、床板張りが難しくなります。
束柱と干渉する部分は、床板を切り欠く作業が要りますので、難しくなります。しかし、後からフェンスを付けようとすると不細工になってしますので、必要な場合は、初めから作るようにします。
まとめ
サンドイッチ工法は、根太の水平に据えることだけに気をつければ、しっかりしたものが出来上がります。また、床板の張り方で、隙間、ビス位置に気を付けると、見た目の良いウッドデッキとなります。
ぜひ、作ってみてください。
以上で、サンドイッチ工法の説明は終わりです。
サンドイッチ工法なら、できそうよね
ウッドデッキ作りに必要な電動工具
今回の作業で使用した工具です。最低限、これらがあると作りやすいです。DIY初心者でも使いやすく、当面の間、使っても問題んないものを集めてみました。
まずは、ウッドデッキ製作には必ず必要となるインパクトドライバーです。DIYで使う分には、14.4Vで十分なトルクがあります。値段も手頃なのでおすすめです。
もう一つ、必須なのが丸のこです。DIY用途では165㎜くらいが取り扱い易く、値段も手頃です。バッテリー駆動のものもありますが、まだまだ高価ですので、ケーブルタイプで十分と思います。
ウッドデッキのように、同じ長さの板を何本も切る場合には、スライド丸のこがあるととても便利です。他のものを作るときにも、精度よく切れますので、いつかは欲しいアイテムですね。
床板を貼るとき、根太を固定するときなどに重宝します。これさえあれば、ウッドデッキを一人で作ることもできます。実際、私はクイッククランプを駆使しながら、一人でチマチマ作っていました。でも、誰かが押さえてくれれば早いんですけどね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
こちらの記事で設計手順の詳細を説明しています。よろしければ、ご覧ください。
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