現在、物置を製作しています。壁を作っていくところですが、構造はどのようにすべきかを検討していきます。
物置のための検討ですが、まずは、住宅での壁構造を参考にしてみようと思います。
近年の木造住宅では、通気構法を用いた壁構造を採用することが多いです。
これは、外壁材の内側に通気胴縁を使って「通気層」を設けた工法です。この通気層が外壁の隙間から入った雨や屋内側からの湿気を逃がす役目を持っています。
こうして、壁の内部に水分が留まらないようにして、家の耐久性を高めるようにしている工法です。
通気構法の構成
通気構法を採用している場合の木造住宅は、室内側から室外側に向けて、以下の構成となっています。
内装材→防湿シート→断熱材→透湿防水シート→胴縁(通気層)→外壁材
室内で人が生活していると水蒸気が発生します。内装材の下には防湿シートが張ってあり水分を遮断していますが、様々な隙間を通って水蒸気は壁体内に入り込みます。
室内側の水蒸気を含んだ温かい空気が壁体内に入ると、屋外側に向かうにつれて空気は冷やされます。すると、水蒸気が冷えて水分へと変わります。
イメージとしては、冬場の窓ガラスに結露して水滴がたまることに似ています。
この水分が壁の中に溜まってしまうと「内部結露」という状態が発生します。
この水分をそのままにしておくと「カビの発生」や「木材の腐食」の原因となってしまいます。
しかしながら、通気構法の場合は壁体内の水分は透湿防水シートから外に排出されます。透湿防水シートは、外から壁体内へは水分を通しませんが、中の水分は外へ逃がすのです。
通気層に排出された水分は、通気によって乾かされます。また、外壁を通して通気層に入った水分も同様に通気によって乾きます。
こうして、通気構法では壁が水分に侵されないような仕組みがあるのです。
壁の防水性能を高める他の方法
また、別の視点から壁の防水性能を高める方法があります。
軒の出幅を長くすることです。屋根の出幅が長ければ、壁が雨に濡れなくなりますので、防水性能が高まります。軒の出が長いことは、外壁が直射日光にさらされることも少なくなりますので、外壁の劣化を少なくする効果もあります。
ただし、軒の出を長くすることは経済的に負担になりますし、部屋の採光の面からも不利になる場合もあります。
デザインや経済面も含め、いろいろ検討すると楽しいと思います。
物置の壁防水は
物置の中では人が生活しているわけではありませんので、水蒸気が発生する原因は少ないです。また、断熱材も使用しないので、物置の内部と外部の温度差は少ないです。
このため、内部結露が発生することはないので、外部からの水分のみを遮断すればよいです。この場合は、透湿防水シートではなく、アスファルトフェルトを採用します。
アスファルトフェルトは原紙にアスファルトを浸透させて製造した防水性の高い防水紙です。販売単位は1ロール/幅1m、長さ42mであることから、1本で物置全体に十分足ります。
以上、物置の場合は通気構法を採用するまでではないため、単純に防水紙を使用し、壁内部に水分が入らないようにします。
また、外壁の種類にもよりますが、濡れない方が良い材料の場合は軒を深くするデザインとします。
物置の製作過程全体は、こちらのカテゴリーをご覧ください。
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