はじめに[このブログを読んでほしい人]
きっかけは些細なことでした。家のIHクッキングヒーター3個口のうち一つが壊れたのです。
業者に頼めば数万円。でも「これ、自分でできるんじゃないか?」と思ったのが第二種電気工事士を目指した理由でした。加えて、最近よく見ているYouTubeの空き家再生系チャンネルでは、電気工事士の資格を取って自分でリフォームをこなしている人がたくさんいます。「自分にもできそうだ」という空気に背中を押された部分も大きいです。
参考までに、私の電気に関する知識であったり、仕事関係は以下の通りです。
- 仕事で電気工事に関わることはあるが、専門家(電気工事士)ではない
- 単線結線図やシーケンス図はある程度読める
- 大学は機械工学科卒業で、電気が関係する「物理」は大学受験で得意科目だった
- とはいえ電気の専門教育は受けていない、いわば「素人と専門家の中間」くらいの立ち位置
完全な初学者向けの精神論ではなく、「効率よく、必要な分だけ勉強して受かりたい」人向けの、わりと打算的な合格ノウハウです。
学科・実技をまとめて1本の記事にしていますので、これから受験する人はブックマークして両方の対策に使ってください。
学科試験編
使った教材はたった2冊
- 電気工事士の基礎理論がわかる本 1冊
- 過去問題集 1冊
これで完結しました。参考書を何冊も買う必要はありません。基礎理論の本は最後まで読み通す用、過去問題集はひたすら問題を解く用、と役割をはっきり分けたのがポイントです。
基礎理論の本
過去問題集
勉強時間は平日のみ、1日2時間まで、3週間
土日は勉強しませんでした。平日夜に最大2時間、これを3週間続けただけです。総勉強時間にすると30時間程度でしょうか。それでも十分でした。(理由は後述します。)
基礎理論の本は「わからなくても止まらず一気読み」
最初につまずきやすいのがここです。基礎理論の本を読んでいると、電気の計算式や用語で「あれ、これどういう意味だっけ」と立ち止まりたくなる瞬間が何度もあります。しかし、ここで立ち止まらないことが重要です。
細かい部分や分からない部分は、後に過去問を解いて解説を読むことで、はっきり理解できるようになります。
理解が7割程度でもいいので、とにかく最後まで一気に読み切る。全体像を先につかんでしまうことで、後から出てくる用語や計算の「位置づけ」が見えるようになり、結果的に理解が早まります。これは大学受験の勉強法にも通じるやり方で、細部にこだわって最初の章で止まってしまう人が一番遠回りをします。
なお、基礎理論の本の巻末についている演習問題には手をつけませんでした。理由は次の通りです。
過去問は「本の付録」ではなく「専用の過去問題集」を使う
基礎理論の本の最後についている問題集は使わず、別途購入した過去10年分収録の専用問題集だけを解きました。過去問は量と網羅性が命なので、専用に編集された問題集のほうが効率的です。
進め方はシンプルで、
- 1年分を通しで解く
- 間違えた問題・怪しい問題を解説で確認
- 次の年度に進む
これを繰り返し、9割は確実に得点できるという手応えが出るまで繰り返しました。結果として10年分のうち9年分をひととおり解いたところで本番を迎えることになりました(最後の1年分は時間切れで手つかずでした。)
本番はCBT方式がおすすめ
学科試験には紙の試験とCBT(コンピューター上で受験する方式)があります。私はCBTで受験しました。
CBT受験の最大のメリットは、合否が早くわかることです。合格発表を待たずに次のステップ(実技試験の準備)に進めるので、スケジュールに余裕が生まれます。第二種電気工事士は学科と実技の間隔がそれほど長くないため、実技対策に使える時間を1日でも多く確保したい人にはCBTが向いています。
結果は試験時間を1時間残して退出し、50問中41問正解でした。
振り返って思うこと
合格ラインは6割(50問中30問)です。自己採点は41問だったので、実際にはもう少し勉強時間を削っても合格できた可能性があります。「9割取れるまで過去問を回す」というのはやや過剰品質だったかもしれません。もちろん余裕を持って合格したい人にはこのやり方をおすすめしますが、最短合格だけを狙うなら「7〜8割の手応えが出た時点で切り上げる」という判断もありです。
もう一つの反省点は、実技対策で使ったホーザンのYouTubeチャンネルを、学科の段階から見ておけばよかったということです。文字と図だけの参考書よりも、実際の器具や配線を映像で見たほうが理解が早い分野(複線図や器具の使い方など)が学科にもいくつかあります。学科の勉強中から実技用の動画に触れておくと、後の実技対策への移行もスムーズになります。
実技試験編
教材は「全体像をつかむ本」+「ホーザンの工具・器具セット」
実技試験は学科と違い、「何が出題されるか」がある程度公開されている試験です(候補問題が事前に13問公開される)。まずは対策本を1冊購入し、試験全体の流れとルール(欠陥の基準など)を把握しました。
工具・配線材料・器具については、個別に揃えるのが面倒だったので、ホーザンの一括セットを購入しました。「工具を選ぶ」という工程自体に時間をかけたくない人には、多少割高でもセット購入は時短になります。
あと、このセットには入っていないけど、必須なものはクリップです。結線前の仮配線時に使います。
もう一つ、リングスリーブに差し込んだり、器具への結線を外したりする際に使える合格マルチツールもあると便利です。
勉強は基本的にYouTube(ホーザン)だけ
参考書は最初に全体像をつかむために使っただけで、その後の実技対策はほぼホーザンのYouTubeチャンネルのみで完結しました。候補問題13問それぞれの施工手順を、動画で繰り返し確認する形です。
視聴の工夫として、
- 最初は等倍速でじっくり見る
- 慣れてきたら1.5倍速まで上げて、繰り返し視聴の効率を上げる
という速度調整をしていました。初めは知らないことばかりなので、手の動きや工具の使い方を丁寧に追います。候補問題の番号が進むにつれて、ほとんど知っていることになるためテンポよく学習する、というイメージです。
苦手な「ランプレセプタクル」だけは事前に単独練習

候補問題の中でも、ランプレセプタクルへの結線の「のの字曲げ」は特に難しく感じたため、ここだけは事前にVVFケーブルを買ってきて、動画を見ながら実際に手を動かして練習しました。全13問を均等に練習する前に、「明らかに苦手そうな作業」を先に潰しておくというアプローチです。
複線図もYouTubeを見ながら一緒に手を動かして練習
複線図の書き方も、参考書の説明だけでなく、動画を見ながら同じ図を実際に自分の手で書いて確認する、という方法を取りました。見るだけでなく、同時に手を動かすことで定着させています。
実技の追い込みは、まさかの「本番2日前」から
ここが一番驚かれるポイントだと思いますが、実技の実践的な練習(候補問題を時間内に一通り作る練習)は、本番直前の金曜日・土曜日の2日間しかやっていません。それまではYouTube視聴と複線図の練習、ランプレセプタクルの部分練習だけでした。
この2日間のために仕事を休み、候補問題13問すべてを本番同様の条件で一気に練習しました。ただし2日間といっても、
- 1日あたり12時間練習に充てている
ので、実質的な練習時間で見ればかなりのボリュームです。「日数は短いが、1日の密度が非常に高い」集中特訓だったといえます。
結果として、13問中12問は1回の練習で完成させることができ、時間内に終わらなかった候補問題7番だけは2回練習しました。それ以外は全問1回のみの練習で本番に臨み、無事合格しました。
振り返って思うこと
この経験から言えるのは、インプット(YouTube視聴・複線図の練習・苦手分野の下ごしらえ)さえ事前にしっかりやっておけば、実際に手を動かす総合練習は直前2日間の集中特訓でも間に合うということです。
ただし条件があります。
- 2日間はそれぞれ12時間規模で確保できること(=仕事を休む、または長期休暇に合わせるなどの調整が必要)
- 事前にホーザンのYouTubeなどで作業手順と複線図の書き方をある程度頭に入れておくこと
「毎日コツコツ2週間練習する時間はないけれど、まとまった2日間なら確保できる」という社会人には、このやり方は現実的な選択肢になると思います。
実技試験本番の結果は
実際の試験では、電車で会場に向かう中で復習していた問題が出題されました。複線図はどの問題でもサッと書けるようになっていたので、問題なく書けました。
配線を組んでいくと、前日、前々日と練習しまくっていたので、考えるまでもなく、手が動いていきました。寸前に詰め込みまくると、結果、悪くなくような気がしますが、ノリに乗っている状態でよくできました。
機器接続が終わって時計を見てみると、25分しか経っていませんでした。残り20分は、複線図を含め、徹底的に見直しました。特に、欠陥事項となる部分がないかはよく確認ので、手応えとしては十分なものがありました。
ちなみに、試験会場では時計がなかったので、必ず自分の時計を持っていきましょう。
まとめ[このやり方が向いている人・向いていない人]
向いている人
- 平日の勉強時間はあまり取れないが、直前にまとまった休みを確保できる
- 参考書を何冊も読み込むより、動画で手順を「見て覚える」ほうが得意
- ある程度の理系的な基礎(図面が読める、物理が苦手でない)がある
向いていない人
- 直前に2日×12時間というまとまった時間がどうしても確保できない
- 学科でギリギリの点数(6割前後)しか取れず、実技に不安を抱えたまま本番直前2日にすべてを賭けるのはリスクが高いと感じる人
第二種電気工事士は、正しい教材選びと、YouTubeなどの映像教材をうまく使うことで、想像以上に短期間・低コストで合格できる資格です。IHクッキングヒーターの交換のような身近なきっかけからでも、十分に取得可能だということが伝われば幸いです。
これから受験する方の参考になれば嬉しいです。

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