ソフトウッド、ハードウッドについて紹介してきましたが、数を絞ってはみたものの、まだまだ多すぎて決めることができませんよね。
ここで、私が使ってきた中で良い材料と思うものを、理由も説明しながら二種類紹介しますので、参考にしてみてください。
紹介する樹種は、ソフトウッドの中から「サイプレス」、ハードウッドの中からは「ウリン」です。
どちらの樹種も耐久性が高いので、防腐・防蟻処理のための塗装メンテナンスをする必要がありません。 このため、初期投資としては他の樹種に比べて割高になりますが、数回の塗装費用を加えれば簡単に逆転します。
また、いくら塗装をしても塗り残しが発生していますので、そこから劣化は進んでしまいます。
メンテナンスも含めての経済性と耐久性の点、さらには見た目の美しさから、この二種類を推薦するのですが、最も異なる点は施工性です。
ウリンは圧倒的な耐久性があるので、一度、作ってしまえば一生使えると思います。しかし、「アイアンウッド」の別名があるほど硬い木ですので、施工には苦労します。
よって、耐久性を第一に求め、根気のある方は「ウリン」を、作りやすさを第一に求める方には「サイプレス」をお勧めします。
ウリンの製作例 サイプレスの製作例
以下にそれぞれの特徴を示しますので、どちらが自分に合っているのか考えてみてください。
オーストラリア原産のヒノキ科針葉樹
耐久性に優れ、シロアリも寄せ付けない
ウリンに比べ切断加工・ビス打ちが容易
ウリンに比べ軽量であるため、運搬が容易
ウリンに比べ材料費が割安
無塗装の場合、経年とともに銀白色に変化
ヒノキに似た良い香りがする
東南アジア原産のクスノキ科広葉樹
絶対的な耐久性を持ち、シロアリも寄せ付けない
硬さゆえ、加工が困難(ビス打ちには下穴が必須)
非常に重いので、運搬に苦労する
サイプレスに比べ材料費が割高
強度が高いので、薄い材料や細い材料でも施工可能
無塗装の場合、経年とともに銀白色に変化
当初、赤紫の樹液が染み出るが、数ヶ月で治まる
材料費はウリンのほうが高いですが、強度の違いから、床板厚を薄くできたり、根太ピッチの拡大や大引きの省略などもでき、総費用としては大差は生まれません。
あとは、見た目の好みや耐久性、施工における根気で判断してみてはいかがでしょう。
では、材料が決まったところで、次回からは具体的な設計を始めましょう。
ウッドデッキに関する記事については、こちらをご覧ください
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