今日は前回作った「子供用ベンチ」を加工していきます。アンティーク調に加工したかったので、今回は「浮造り」に挑戦してみます。
「浮造り」とは、木目をはっきりと浮きだたせる加工で、昔から使われている手法です。杉材でよく使用されています。床材に使用すると木目が凸凹になり、足裏が気持ちよくなります。
浮造りの基本的な考え方は、木目の柔らかい「夏目」と硬い「冬目」のうち、夏目を深く削るイメージです。削る手法としては、萱やヤシなどで木目に沿ってなぞる方法があります。現在では、ナイロンブラシを使うことが多いです。
今回、アンティーク調にしたいこともありましたので、焼いて木目に色を付けてから真鍮製のワイヤーブラシで磨く方法にしました。バーナーで炙って炭化した部分をそぎ落とすことで、焼き色が付きながら浮造り加工もできます。
まず、使用した道具です。
このバーナーはカセット式のガスボンベを使用するため手軽に使用できます。大きなものを炙る際には、これくらいの大きさのものだと一気にできるので簡単です。これよりも強力なものは灯油式になるので少し扱いが面倒になります。
はじめて使う際には、思っていたよりも音が大きかったので驚きました。ジェットエンジン並みとはいきませんが、ゴーッと結構な音がします。慣れてしまった今ではなんとも思いませんけど。
次はブラシです。木目に沿って動かして、炭化した部分をそぎ落としていきます。ワイヤーブラシの中でも比較的柔らかい真鍮製のものを使います。
それでは加工の仕方を説明します。まずは、バーナーで炙っていきます。
炙る量は表面が1㎜~2㎜くらい炭化するまでです。表面に焼き色が付くだけでは、浮造りになりません。表面にうろこのような模様ができるまで炭化させます。
注意点としては、薄い材料を炙ると木が反ったり、割れたりします。また、火を扱うので消火用の水も準備しておきましょう。木が熱いうちに水をかけると割れることがありますので、冷めてから水洗いをするようにします。
炭化した部分をワイヤーブラシで削っていきます。一通り削り終わったら、水洗いをして雑巾でふき上げます。
乾かすと、木目が浮きあったようになる「浮造り」が出来上がります。
今回は、ベンチのアンティーク加工として浮造りをしてみました。桧の色や木肌もいいのですが、ひと手間かけて加工することで、木目が際立ち、表面の木肌も凹凸がついて触り心地が良くなります。根気さえあればできる加工ですので、ぜひ試してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。このベンチの作り方はこちらの記事です。
コメント