前回でウッドデッキを設計する準備は整いましたので、今回は具体的な設計図面を作成します。
設計の流れとしては次のとおりです。
設計の流れ
1.設計条件の確認
どんなウッドデッキを作るかを決めます。大きさ、床板を張る方向を決めます
2.材料規格の確認
使う材料の規格には、どのようなものがあるかを確認します
3.根太ピッチの決定
床板を支える根太を、床板と交差する方向に配置します
床板を支える間隔を調整します
4.床板規格の決定
床板の厚さ、幅を決めます
5.大引ピッチの決定
根太を支える大引を、根太と交差する方向に配置します
根太を支える間隔を調整します
6.束柱長さの決定
ウッドデッキ仕上がり高さから、束柱の長さを決めます
設計条件
規模:幅2.0m、奥行1.5m、高さ40cm、床板隙間3mm
材料:サイプレス(豪州ヒノキ)
床板:長辺方向(2.0m)に平行とする
工法:サンドイッチ工法
材料規格
サイプレスの製材規格として、世の中に流通しているものを確認します。
床板
板厚が20mmから35mmくらいまで多数あります。
板幅も90mmから120mmくらいまで数種あり、バリエーションは豊富です。
根太、大引
断面:38mm×90mmが主流です。
束柱
断面:90mm×90mmが主流です。
根太ピッチの決定
まず、長辺方向(L=2,000mm)AーA’断面図における両端の束柱位置を決めます。

両端の束柱中心をどこにするかを考えるため、詳細図をみてください。
束柱(90×90mm)の中心から端までは45mm、根太の幅が38mm、根太の端からはみ出す長さを32mmとします。すると、床板先端から束柱中心までは、45+38+32=115mmとなります。
次に、 AーA’断面図 のとおり、両端の束柱中心の距離は、2000-115×2=1770mmとなります。
では、この両端の束柱の間に何本の束柱を置くかを考えます。間に1本を追加して、全部で3本の束柱を置いた場合は、束柱どうしの間が2か所できるため、1770÷2=885mmとなります。しかし、この結果はやや長く、今回は頑丈なものを作るので、もう1本追加します。
両端の間に束柱を2本追加する場合は、束柱どうしの間が3か所となるため、1770÷3=590mmとなります。十分な強度が見込まれますので、これで決定します。
ちなみに、床板のはみ出し幅は20~50mmが適正ですが、今回は束柱中心距離が3で割り切れる数字である1770となるように逆算して32mmとしています。

根太ピッチは、根太ピッチ詳細図のように、束柱中心からの距離45mmと根太幅38mmを両側から差し引いて、590-(45+38)×2=424mmとなります。
床板規格の決定
床板の厚さは、上を歩くときに床板がたわまないような厚さを決めます。

根太ピッチが424mmというのは狭いほうに入りますので、床板は薄い20mmとします。幅は105mmのものを選択します。
床板の隙間は3mmとしますので、隙間を足した床板の幅は105+3=108mmとなります。奥行きは1500mmとしてますので、必要な床板枚数は1500÷108=13.88→14枚となります。
よって、仕上がりの床板寸法としては、108×14-3(最後の隙間は不要のため)=1509mmとなります。
床板までが決まりましたので、残りの「5.大引ピッチの決定」と「6.束柱長さの決定」については次回にします。
ウッドデッキに関する記事については、こちらをご覧ください。
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