設計事務所で家を建てた話(第5回)」

住宅知識

多くの方が家を建てる際、まずはハウスメーカー工務店で建てることを考えると思います。

こだわった家を建てようとすると、ハウスメーカーや工務店では選択肢が少なく、なかなか自分の思いを実現することができません。

そんな時には、設計や工事監理を別途、設計事務所に依頼する方法があります。

私が10年ほど前に設計事務所に依頼して自邸を作った話を流れを追って書いてきました。家づくりに悩んでいる方の選択肢の一つとして参考になればと思います。

無限の選択肢から自分のこだわりを実現する家づくりはとても楽しいものです。

第1回はどのような工法で家を建てるかを検討し、在来軸組工法と決めたことを書きました。

第2回は建築家と家を建てようと思い、設計事務所を探したことを書きました。

第3回は設計事務所の仕事の進め方(前半)について書きました。

第4回は設計事務所の仕事の進め方(後半)について書きました。

そして、今回は住み始めて10年経ったからわかった「良かった点、悪かった点」について書きたいと思います。家を建てられる方の参考になればと思います。

まず、私の家に対する基本的な考えですが、昔ながらの日本家屋が好きでしたので、その雰囲気を重視したいという思いがありました。また、初めに建築家にお願いした時のキーワードは「質実剛健」です。

ちなみに好きな建築家は宮脇檀(みやわきまゆみ)さんです。これらの本を読んで、住宅設計の考え方を勉強しました。

ハウスメーカーでよく謳われている「高気密高断熱」を目指すよりは、四季を感じながら、日照と通風をコントロールする家づくりを目指したいと考えました。

結果として、未だに我が家の1階にはエアコンがありません。年齢的に耐えられなくなった時に設置しようと思い、リビングのエアコン設置位置には、構造用合板、コンセント、配管用穴の準備だけはしてあります。

夏場は風通しをよくすれば涼しく過ごせ、冬場は暖房器具をこたつのみで十分です。さすがに2階は屋根からの熱気が強いと思ったので、ゆっくり眠れるようにエアコンを設置しています。

風の通り道を考えて窓を設置し、軒の出幅を考慮して日差しの遮断、取り入れをします。また、外壁からの断熱をしっかりすれば、暑さや寒さもエアコンなしで過ごせるようなものが出来上がると思います。

それでは、まずは良かった点から

  • 一階を回遊型にした
  • リビングに大型建具をつけた
  • テレビを壁掛けにした
  • 踏み天井を採用した
  • 床板を杉の無垢材にした
  • 設備にこだわりを
  • 壁を珪藻土の塗り壁にした
  • 外構を工事範囲から除いた

一階を回遊型にした

一階部分は、リビング→ダイニング→キッチン→廊下→リビングと一周できるようにしました。トイレや風呂は廊下からアクセスできます。どこにいたとしても、直感的に行きたい方向に行くことで、最短距離で行けます。

毎日の移動なので、このちょっとした距離がとても便利に感じます。

リビングに大型建具をつけた

家を作るとき、やりたかったことの一つにリビングシアターを作ることがありました。ダイニングやキッチンと続きになっているので、プロジェクターで映画を見るときの区切りをするための建具を用意しました。大きな2枚組の木製引扉です。

明かりや音を遮るために用意しましたが、個室感が高まっていい感じです。また、将来的に空調を導入した際にも最小限の部分だけとできるので、省エネにもなりそうです。

非常に大きな建具になりますので、経年による木材の変形が発生を心配していました。しかし、今でもスムーズに開閉しますので、変形はないようです。

テレビを壁掛けにした

新築した際、テレビ、プロジェクター、スピーカーなどの設置は自分でやりました。ケーブル用の配管は壁裏に用意してもらいましたが、壁掛け金具や天吊り金具、スピーカーの埋め込み、スクリーンの設置を自分で施工しています。

現在は、2台目のテレビに変更しましたが、壁掛け金具は流用できています。天吊りや壁掛けの良さはやっぱり部屋がスッキリすることです。後から設置しようとしても、配線が露出していましますので、新築時に計画するのがいいと思います。

プロジェクターとスクリーンは映画を見るときだけ使いますが、天吊りにしておけば片付ける必要がなく、邪魔にもならないので便利です。

踏み天井を採用した

踏み天井とは、1階の天井と2階の床板を兼ねているものを言います。リビングには天井にスピーカーをつけたので天井懐がありますが、それ以外は全て踏み天井にしています。

踏み天井のメリットは、天井が高くできることです。天井が高いと開放感があります。しかし、2階で歩くとその音がよく聞こえますし、1階と2階の遮音性は天井がある部分に比べると劣ります。

床を杉の無垢板にした

床フローリング材は杉の無垢板にしました。踏み天井にも使うので厚さ32㎜のものを使っています。杉板の良いところは、材質自体が柔かいため、温かみがあることです。しかし、柔らかい故に傷つきやすくなっています。

傷を気にする場合は採用しない方が良いでしょう。実際、よく歩く部分の床板は、写真のように柔らかい部分がすり減ってしまって浮造り状になっています。

子供が小さい場合には、転んで頭を打ったとしても柔らかいので痛くない利点もあります。

設備にこだわりを

風呂ユニット、エコキュート、システムキッチン、トイレ、洗面台などの設備はいろいろなメーカーを回って決めました。有名なメーカーのものが一番良いということはなく、探せばお値打ちなものはたくさん存在します。また、アウトレット品を扱うところも増えてきているので、今はそういうところで探すのもいいかもしれません。

実は、小さな工場が作っているものがOEMで一流メーカーの製品として流通していることは多いです。名前にこだわらなければ、同品質のものをお値打ちに手に入れることもできます。

また、当時は入手先が少なかったですが、今ならば通販も盛んになっています。自分で手配して施主支給することで工事費用を抑えることができます。しかし、施主支給には施工タイミングに合わせて現場に搬入することや、発注仕様の確認は自分でできないといけないことなど、それなりに知識が必要となるので、気をつけてください。

壁を珪藻土の塗り壁にした

一階の壁は水周りを除いて珪藻土の塗り壁にしました。落ち着いた雰囲気としたかったので、薄いベージュにしました。経年劣化しないので、10年以上経過した今でも新築当時の状態を保っています

珪藻土の利点としては、その見た目が変わらないだけではなく、調湿効果が高いことは有名です。湿気を吸い込んだり、水分を部屋に放出することで、部屋の湿度を一定に保つようにしています。いわば、壁が息をしているような状態です。実際、1階と2階では洗濯物を部屋干ししたときの乾く速さが違う気がします。

塗り壁はコスト的にみると非常に割高となります。私の場合は、友人が左官職人だったので材料の手配から施工までをやってもらいました。その部分は自主施工とすることで、工事費用は抑えられたわけですが、全てを工事に含めていたならば、珪藻土では予算に収まらなかったと思います。

外構を工事範囲から除いた

予算が最大の理由でしたが、外構を工事範囲から除外しました。敷地の周りを囲うフェンスやウッドデッキなどが主なものです。

結果として、除いた部分のものはDIYで作りました。本格的にDIYを始めるきっかけにもなりましたので、今となっては楽しい趣味を始めるきっかけとなったことは良かったと思います。

当初、見積の中で示された金額よりもはるかに安い金額で外構を作ることができました。これらの材料は全て通販で入手しました。

ウッドデッキはウリンを使用したため、10年以上経過しても銀白色に変化した以外の劣化は何もありません。色の変化も気に入っており、とても満足しています。

家を建てた際の良かった点について書きました。次回は、悪かった点というか、もう少しこうしていれば良かったと思う点を書きたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。

普段はDIYに関する記事を書いています。良かったら見てください。

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