設計事務所で家を建てた話(第3回)」

住宅知識

こんばんは、源です。

これは、私が建築家と家を建てた時の話です。約10年前のことですので、今は流れが変わっている部分があるかもしれません。建築家と家を建てたい人の参考になればと思います。

第1回には、どのような工法で家を建てるかを検討し、在来軸組工法と決めたことを書きました。

第2回は、建築家と家を建てようと思い、設計事務所を探したことを書きました。

第3回の今回は、設計事務所の仕事の進め方について書きます。住宅の設計を進めるとき、設計事務所の仕事の流れは以下の通りです。

  1. 施主要望のヒアリング
  2. 建設予定地調査
  3. 打ち合わせ
  4. 設計案提示→3→4(数回繰り返し)
  5. 設計図面完成
  6. 工務店選定→決定
  7. 工事請負契約締結
  8. 建築工事開始後に工事監理

それでは、個々の項目について詳しく書いていきます。

1.施主要望のヒアリング

まずは、施主がどのような家を望んでいるのかを聞く作業をしていきます。現在住んでいるところの状況や、その生活の中での改善したいところ、いいと思っているところなど、細かなところから家づくりのヒントを探します。

後は、どのような家を望むかのイメージなどを聞かれます。私の場合は、とにかく「質実剛健」なものを作りたい。お金をかけるべきところにはかけ、削るべきところはけずるといったメリハリをつけたい。また、地震に強い家にしたいと要望しました。

実際のヒアリングは、建築家が用意したヒアリングシートを打ち合わせ前に渡され、記入したものを持参して打ち合わせるスタイルでした。

2.建設予定地調査

家を設計するには、基礎が重要です。基礎は強固な地盤に載せて初めて機能します。設計を始める前に、建設予定地の地盤調査をします。

住宅を建築する際の地盤調査としては、SWS(スウェーデンサウンディング)方式と呼ばれる簡易な調査を用いることが多いです。この調査方式は簡易な機械で調査できるため、安価で手軽にできることが利点です。

あくまで、簡易な調査方式であるため、地盤沈下のおそれがあるような場所では、詳細な調査を追加する必要があります。

専門家であれば、周辺地域の状況(山や川などがある)ことや地名(沼、河などの水に関する言葉が入っているなど)から推測することもあります。

私の場合は、家から10メートルほど離れた場所の詳細なボーリングデータを持っていたので、そのデータを参考にしましたが、実際に建てる場所とは少し離れているため、SWS方式を追加して確認しました。

結果としては、住宅を建てるには十分とは言えない地盤であるが、必ず地盤沈下が発生するものではないものでした。質実剛健なものを作りたい私は、柱状改良と呼ばれる地盤改良をすることとしました。

柱状改良は、基礎の下に柱状の地盤を作るため、ドリルで地中を掘りながらセメントを混ぜて柱を作る工法です。柱の下の方に固い地盤がある場合に採用します。地盤改良費用は安くはありませんが、将来的な安心を買うと思えば安い買い物と思います。

ちなみに、設計事務所に設計を依頼すると、その設計事務所は意匠設計を専門としています。建築設計の世界は、意匠設計と呼ばれるデザインを主として設計する分野、構造設計と呼ばれる構造を検討する分野、設備設計と呼ばれる電気、空調などの設備を検討する分野に分かれます。

基礎構造の検討に関しては、意匠設計者には苦手な方がいらっしゃるので、不安を感じたら構造設計者に確認してもらうようにお願いすることも一つの手だと思います。

3、4.打ち合わせ〜設計案提示

現地調査、ヒアリング、地盤調査を踏まえ、設計事務所が第1案を出してきます。多分、施主の考え方や好みなどを探るために、こんな感じはどうだろう?とぶつけてくる部分があると思います。

ここからは、提示された案をもとに施主と設計者で打ち合わせを繰り返し、最終案を作り上げていいきます。打ち合わせは設計事務所でしたり、メールを使って打ち合わせします。

第1案のことは、今でも強烈に覚えています。四角い地形に三角の家が建っていました。リビングが三角形になっているのを、「どうですか?」と見せられた時には、思いっきり苦笑いをしながらどうやってこの案を却下するのかを考えていました。

とりあえず、持ち帰って検討することとしましたが、次回の打ち合わせではサラッと断って、別の案の検討を依頼しました。まあ、質実剛健とは程遠いですからね。

建築家と家を建てるときに一つ気をつけなければならないことは、「作品」というようなぶっ飛んだ案を投げ込まれることがあることです。そのような家を望んでいる場合はいいですが、そうでない場合は明確に断りを入れて問題ありません。相手も仕事でやっていることですし、施主の要望を汲み取れない建築家に落ち度があります。

設計案については、常に思ったことをぶつけてみます。思いつきで出ない場合もあると思うので、考えていることをメモなどにまとめておくと忘れることがありません。

今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございます。次回、残りの流れを説明します。

普段はDIYに関する記事を書いています。

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